作成日: 2023/04/06
0

jQueryとは?

jQueryは、JavaScriptをより扱いやすく便利にするためのJavaScriptライブラリです。

JavaScriptは、Webページを操作するためのプログラミング言語であり、Webサイトの多様な機能を実現するために使用されます。しかし、JavaScriptのコードを書く際、同じような書き方を何度も繰り返すことがあり、手間やヒューマンエラーが発生しやすくなってしまいます。

このような問題に対し、jQueryはJavaScriptに慣れていない人でも簡単にWebページの機能を実装することができるように、機能や構造を簡易化してくれます。jQueryが提供する関数やメソッドを使うことで、繰り返し書く必要があった処理を短くかけるため、コードの可読性や保守性も向上させることができます。

jQueryの特長

簡単な記述方法

jQueryの最大の特徴として、簡単な記述方法が挙げられます。jQueryは、JavaScriptの文法をベースにしていますが、短い文法で記述することができ、同じ処理を実現するためのコードを簡単に書くことができます。例えば、以下のようなJavaScriptのコードをjQueryを使って書き換えることができます。

var elem = document.getElementById("target");
elem.style.color = "red";
elem.innerHTML = "Hello, world!";
$("#target").css("color", "red").html("Hello, world!");

このように、jQueryを使うことで、簡潔で読みやすくなり、開発効率の改善が期待できます。また、jQueryは多くのユーザーに受け入れられているため、オープンソースとして開発がされており、新しい機能やパフォーマンスの向上など、常にアップデートされています。

豊富なライブラリ

jQueryは、HTML/DOM操作やCSS操作といった基本的な機能だけでなく、アニメーション、フォームのバリデーション、Ajax通信、キーボード・マウスイベントの取得など、多様な機能を提供するライブラリが存在します。これらのライブラリは、Webサイトの開発者にとって、手軽に使用できるようjQuery本体と一緒にダウンロードして使うことができます。

ブラウザ依存無し

jQueryのライブラリは、クロスブラウザ対応が行われているため、主要なブラウザで動作することが保証されています。そのため、jQueryを利用することで、ブラウザごとに異なるJavaScriptの動作に悩むことなく、統一的なコーディングが可能になります。

jQueryの使い方

jQueryの導入方法

jQueryを使用するためには、まず本体をWebサイトに導入する必要があります。一般的に、以下のような方法があります。

  1. CDNを利用する方法

jsDelivrのようなCDNを利用する方法があります。CDNというのは、コンテンツ配信サービスのことで、jQueryなどのライブラリを置く専用のサーバーがあり、それを使ってWebページ上で参照することができます。jQueryの場合、以下のようなコードでCDNから読み込むことができます。

<script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script>
  1. ダウンロードする方法

jQueryの本体は、公式サイトからダウンロードすることができます。ダウンロードしたファイルを、JavaScriptファイルとしてWebページ内に読み込むことができます。以下は、jQuery 3.6.0のダウンロード方法です。

https://jquery.com/download/

  1. Node.jsを利用する方法

Node.jsを利用してjQueryを使うこともできます。Node.jsのパッケージマネージャーであるnpmを利用して、jQueryのインストールを行うことができます。

$ npm install jquery

jQueryの基本文法

jQueryは、CSSのセレクタ記法を拡張した形式を利用してDOMツリー内の要素を選択し、操作することができます。以下に、jQueryを使ってDOM要素を取得する方法を示します。

var elem = document.getElementById("target");
var $elem = $("#target");

このように、jQueryではセレクタを指定して、要素を取得することができます。また、取得した要素に対して、以下のように様々なメソッドを使用することができます。

// テキストを設定する
$elem.text("Hello, world!");
// CSSプロパティを設定する
$elem.css("color", "red");
// HTMLコンテンツを設定する
$elem.html("<a href='https://www.google.com'>Google</a>");

このように、jQueryはCSSセレクタを使って、特定の要素を直接指定することができ、その要素に対して様々な操作を行うことができます。

jQueryのイベント処理

jQueryには、クリックやマウスオーバーなどのイベントの処理も容易に書くことができます。以下に、クリックイベントを取得する方法を示します。

$(document).ready(function () {
  $("#button").click(function () {
    alert("Clicked!");
  });
});

このコードは、jQueryが読み込まれた後、ボタンがクリックされた時にアラートダイアログを表示するという処理を実行します。ここで使われている.ready()メソッドは、DOMの準備ができた時に実行されるjQueryのメソッドです。

jQueryのアニメーション

jQueryは、CSSアニメーションなどを簡単に実装することができます。以下に、要素をフェードイン・アウトするアニメーションの例を示します。

$(document).ready(function () {
  $("#fadeIn").click(function () {
    $("#target").fadeIn();
  });
  $("#fadeOut").click(function () {
    $("#target").fadeOut();
  });
});

この例では、要素をクリックすることで、フェードイン・アウトのアニメーションを実現しています。また、jQueryにはこのようなアニメーション機能を拡張した「jQuery UI」も存在します。

jQueryを使ったサンプルアプリケーション

最後に、jQueryを使ったサンプルアプリケーションを紹介します。ここでは、テキストの入力ができる簡易的なTODOリストを作成する例を示します。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja" xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
<head>
  <meta charset="utf-8" />
  <title>jQuery TODO</title>
  <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script>
</head>
<body>

  <h1>TODO List</h1>
  <div>
    <input type="text" id="input" /><button id="add">Add</button>
  </div>
  <ul id="list"></ul>

  <script>
    $(document).ready(function () {
      $("#add").click(function () {
        var text = $("#input").val();
        if (text != "") {
          $("<li>").html(text).appendTo("#list");
          $("#input").val("");
        }
      });
    });
  </script>

</body>
</html>

このコードでは、jQueryを利用して、入力フォームのテキスト値を取得し、TODOリストに追加するという処理を実装しています。ここでは、jQueryの各種メソッドを再利用して、コード量を削減しています。

まとめ

jQueryは、Web開発をさらに効率化するためのJavaScriptライブラリです。簡易的な記述法や豊富なライブラリ、ブラウザ依存の心配がないため、多くの開発者に愛用されています。また、jQueryの使い方も簡単で、初心者から上級者までカバーしているため、今後も需要が高いことが予想されます。


フルスタックエンジニア。徒然なるままに記事を投稿していきます。日々学習。